トップページ 研究活動 将来の計算機システムに向けた取り組み 次世代計算基盤に係る調査研究(2022年8月~)
次世代計算基盤に係る調査研究(2022年8月~)
English取り組み概要
次世代計算基盤には、SDGs・Society 5.0の実現に向けた課題解決のためのプラットフォームとしての役割が求められる。そこで、今後の科学に「研究DX」をもたらす高度なデジタルツイン実現の基盤として、広範な計算手法・シミュレーション技法や大規模データを駆使しつつ、それらが密に連携しながら全体のワークフロー実行が可能な汎用性の高い計算基盤の実現を目指し、あるべきアーキテクチャやシステムソフトウェア・ライブラリ技術について、アプリケーションとのコデザインを通じた調査研究を行う。
特に、システム設計の基本理念として演算精度も考慮しながら必要な計算性能を確保し、電力制約の下でデータ移動を高度化・効率化する「FLOPS to Byte」指向のシステム構築を、アーキテクチャ開発からアルゴリズム設計、アプリケーション技術に至るまで実践する。
ALL Japan体制のもと、実効的な性能を向上させる次世代計算基盤のシステム構成や要素技術の調査検討、要素技術の開発を、アーキテクチャ・システムソフトウェアとアプリケーションとのコデザインを通じて実施する。
調査内容
アーキテクチャ調査研究
- 半導体技術・パッケージング技術動向を踏まえつつ、システム全体やその構成要素について考え得る技術的可能性や総合性能を調査(新規要素技術として三次元積層メモリ技術、強スケーリング・計算インテンシブ向けアクセラレータ、チップ間直接光通信技術などを意識)
- アプリケーション調査研究G提供のベンチマークセットの性能解析に基づき将来システムの性能を予測、また次世代アプリ開発へとフィードバック
システムソフトウェア・ライブラリ調査研究
- 従来のソフトウェアに加え、データ利活用促進、機械学習技術と第一原理シミュレーションや大規模リアルタイムデータ処理との高度な融合、高セキュリティの担保などを主要検討項目と据え、国内で開発すべきソフトを優先度も含めて明らかにしつつ今後の開発ロードマップを策定
アプリケーション調査研究
- 複数アーキテクチャを統一的に評価するための広範なベンチマークセットを構築し、それを利用したアーキテクチャ評価結果を踏まえてアルゴリズムやパラメータの改善を検討しつつベンチマークセットを更新しながら、性能モデルも利用した探索的な”What if”の視点で解析を行う
- 次世代計算基盤に向けてどのようなアルゴリズムのクラスが大幅な進化が見込まれるか、の指標も抽出して今後のアプリ発展につなげる
スケジュール
時期 | アーキテクチャ | システムソフトウェア | アプリケーション |
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2022 H2~2023 H1 | テクノロジ・アーキ技術の調査・検討 | 既存ツールや利用動向調査 | アプリ調査とベンチマーク設計 |
2023 H2~2024 H1 | ベンチマーキングによる性能予測 | 新規開発ソフト項目検討・定量的評価 | ベンチマーク評価に基づく性能分析 |
2024 H1~2024 H2 | アーキ選択と要素技術開発 | 将来の要件整理とロードマップ | ターゲット問題に向けた検討 |