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「富岳」でできること
未来社会全体をHPCによって予測し、Society5.0の課題解決と価値創造に貢献します
スマートシティ:スマートシティの統合シミュレーションによる住みよい社会の実現
ものづくり:最適な経済モデルやサプライチェーンの構築で産業の国際競争力を強化
サイバー空間におけるシミュレーションで得られる、在庫、需要や企業間取引などの経済活動に関する情報のビッグデータ解析や経済シミュレーションにより、様々な社会現象(例えば新型コロナウィルスのロックダウンによる経済への影響)を推定し、また、経済効率が高く同時にリスクの低いサプライチェーン構築の実現に貢献します。また、さまざまな製造条件下でAI搭載ロボットの活用や工場間連携などのシミュレーションを実行し、かつAIによってそれらを最適化することによって、製造現場(工場)での生産の効率化(自動生産)や熟達技術の伝承への活用も期待できます。これらにより、持続可能な産業化の推進、人手不足解消、価格競争力向上に貢献し、我が国の産業の国際競争力の強化につながります。
物質・材料:原子や電子のシミュレーションで社会に役立つ新物質・新材料を探索
社会の発展には新機能デバイスや高性能材料の開発が不可欠です。物質中での原子や電子の振る舞いを高精度にシミュレーションすることにより、高性能半導体デバイス、高効率太陽電池・燃料電池、高性能二次電池、人工光合成材料そして信頼性の高い構造材料(航空機・自動車)などの候補材料を探索します。産業化が可能な新しい物質・材料の設計・創成により次世代産業を支えるとともに、社会活動におけるエネルギー消費の削減と安全な社会生活の実現に貢献します。
防災:災害予測に加え、個別の避難指示と無人配送で減災力を向上
人工衛星、気象レーダー、ドローン、各地のセンサーなどから送られてくる情報、災害シミュレーションで得たデータや過去の履歴情報を含むビッグデータ解析やシミュレーションとのリアルタイムデータ同化により、竜巻や豪雨、地震による津波などを予測するとともに、避難が困難な道路の特定や避難者ごとの最適避難指示の策定などが進められます。また、避難所への人の動きや救援物資の物流などのシミュレーションにより、救援物資の最適配送の実現に寄与することも期待できます。このような災害予測・対応を実現できれば、被害の最小化や早期復興が可能となります。
エネルギー:核融合から電池まで多階層で進めるエネルギー・環境技術革新
夢の次世代エネルギーとして期待される核融合に関する超大規模シミュレーションを実施し、計算科学とデータ科学を融合した手法により、その機構解明を進めます。また、石炭ガス化炉や超臨界圧CO2ガスタービンなどの次世代高効率火力発電システムや、洋上ウィンドファーム(風力発電)を対象としたシミュレーションとAI解析により、実機レベルでそれらの実現可能性を検証します。加えて、エネルギー貯蔵用二次電池とエネルギー変換用燃料電池の材料に関するシミュレーションとデータ材料科学を駆使し、それらの高性能化に貢献します。これら多様なエネルギーのベストミックスにより、我が国の産業競争力を強化するとともに、地球温暖化ガス排出の抑制を目指します。
「富岳」はサイバー空間上にモデリングした仮想世界で、上記のようなさまざまな分野における課題解決策を検証することで、すべての人々がそれぞれの想像力・創造力を発揮して活躍し、社会の課題解決と価値創造を図り、自然と共生しながら持続可能な発展を遂げる「Society 5.0」の実現に貢献します。