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未来社会全体をHPCによって予測し、Society5.0の課題解決と価値創造に貢献します

「富岳」は世界最高峰のHPCインフラとしてシミュレーション・ビッグデータ解析・AIを融合しSociety 5.0の実現可能性を実証します

IoTにより全世界から収集された膨大なデータをもとに、サイバー空間上でシミュレーションが繰り返され、より快適な生活を生み出すための答えが自動的に実世界に戻される(サイバー・フィジカル)ーー
このようなSociety 5.0を実現するには、時代に先駆けてその実現性を検証できる「富岳」のような莫大な計算能力とソフト・ハード両面での汎用性を併せ持つスーパーコンピュータの力が不可欠です。「富岳」はハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)インフラとして、シミュレーション・ビッグデータ解析・AIを融合し、サイバー空間上でSociety 5.0の多様な分野における実現可能性を実証していくのです。

図:サイバーワールド(デジタルツイン)
サイバー・フィジカル
現実世界(フィジカルワールド)からセンサーで収集された膨大なデータがサイバーワールドで解析され、最適な解決策が現実世界へと戻される。

ヘルスケア:生体データの活用による健康促進と効率的な創薬

遺伝子やCT画像、さらにはリアルタイムで収集される生理計測データなどの医療情報のビッグデータ解析やシミュレーションとのデータ同化により、病理解析に新しい境地を開き、自動健康診断や予防情報の提供などを可能にして、我が国の健康寿命の延伸に貢献します。また、シミュレーションやAIによる対新型コロナウィルスを含む新薬候補の探索や薬効検証により、速くて安価な創薬プロセスの実現に貢献します。このようなヘルスケアに関する取組みにより健康寿命を伸ばすことで、医療費や介護費といった社会的コストの低減や人手不足の解消を目指します。

スマートシティ:スマートシティの統合シミュレーションによる住みよい社会の実現

スマートシティのサイバー空間上でのデジタルツイン、つまり大規模・高精度なシミュレートされた仮想空間内の都市を実現することにより、様々なスマートシティにおける次世代社会インフラの実現の中心的役割を果たします。例えば、さまざまな条件下での交通シミュレーションにより得られたデータや、自動車搭載センサー情報や天気・交通などのリアルタイム情報、さらには過去の履歴情報も含めたビッグデータ解析やAIエージェントのシミュレーションを仮想スマートシティ上で統合することによって、短期的には渋滞や危険を避けた最適な移動ルートの高精度探索の有効性を検証し、長期的には渋滞解消をしつつ輸送効率を上げ災害にも強いスマートシティの設計にも貢献します。このようにスマートシティ全体の最適化に貢献することで安全・快適な社会活動を実現し、エネルギー消費とCO2排出量の削減、安全安心の確保、などによる住みよい社会を目指します。

図:スマートシティ

ものづくり:最適な経済モデルやサプライチェーンの構築で産業の国際競争力を強化

サイバー空間におけるシミュレーションで得られる、在庫、需要や企業間取引などの経済活動に関する情報のビッグデータ解析や経済シミュレーションにより、様々な社会現象(例えば新型コロナウィルスのロックダウンによる経済への影響)を推定し、また、経済効率が高く同時にリスクの低いサプライチェーン構築の実現に貢献します。また、さまざまな製造条件下でAI搭載ロボットの活用や工場間連携などのシミュレーションを実行し、かつAIによってそれらを最適化することによって、製造現場(工場)での生産の効率化(自動生産)や熟達技術の伝承への活用も期待できます。これらにより、持続可能な産業化の推進、人手不足解消、価格競争力向上に貢献し、我が国の産業の国際競争力の強化につながります。

物質・材料:原子や電子のシミュレーションで社会に役立つ新物質・新材料を探索

社会の発展には新機能デバイスや高性能材料の開発が不可欠です。物質中での原子や電子の振る舞いを高精度にシミュレーションすることにより、高性能半導体デバイス、高効率太陽電池・燃料電池、高性能二次電池、人工光合成材料そして信頼性の高い構造材料(航空機・自動車)などの候補材料を探索します。産業化が可能な新しい物質・材料の設計・創成により次世代産業を支えるとともに、社会活動におけるエネルギー消費の削減と安全な社会生活の実現に貢献します。

防災:災害予測に加え、個別の避難指示と無人配送で減災力を向上

人工衛星、気象レーダー、ドローン、各地のセンサーなどから送られてくる情報、災害シミュレーションで得たデータや過去の履歴情報を含むビッグデータ解析やシミュレーションとのリアルタイムデータ同化により、竜巻や豪雨、地震による津波などを予測するとともに、避難が困難な道路の特定や避難者ごとの最適避難指示の策定などが進められます。また、避難所への人の動きや救援物資の物流などのシミュレーションにより、救援物資の最適配送の実現に寄与することも期待できます。このような災害予測・対応を実現できれば、被害の最小化や早期復興が可能となります。

エネルギー:核融合から電池まで多階層で進めるエネルギー・環境技術革新

夢の次世代エネルギーとして期待される核融合に関する超大規模シミュレーションを実施し、計算科学とデータ科学を融合した手法により、その機構解明を進めます。また、石炭ガス化炉や超臨界圧CO2ガスタービンなどの次世代高効率火力発電システムや、洋上ウィンドファーム(風力発電)を対象としたシミュレーションとAI解析により、実機レベルでそれらの実現可能性を検証します。加えて、エネルギー貯蔵用二次電池とエネルギー変換用燃料電池の材料に関するシミュレーションとデータ材料科学を駆使し、それらの高性能化に貢献します。これら多様なエネルギーのベストミックスにより、我が国の産業競争力を強化するとともに、地球温暖化ガス排出の抑制を目指します。


「富岳」はサイバー空間上にモデリングした仮想世界で、上記のようなさまざまな分野における課題解決策を検証することで、すべての人々がそれぞれの想像力・創造力を発揮して活躍し、社会の課題解決と価値創造を図り、自然と共生しながら持続可能な発展を遂げる「Society 5.0」の実現に貢献します。