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クラウドの「富岳」化(Virtual Fugaku)を目指します
English「バーチャル富岳」が実現すれば、すでにコンシューマ市場では広く普及しているArm CPUに対して、さらにスパコンやクラウドなどの大規模なマシン基盤において、高性能なソフトウェアの実行・開発環境が広く普及することになります。これによって、「富岳」ユーザーやポテンシャルユーザーがより容易に「富岳」技術の成果を享受できるようになり、企業は「富岳」で行った最先端の研究開発の成果を即時に製品開発に反映することが可能になって、産業界をはじめとするさらなるユーザーの拡大、活用事例の積み上げ、技術の普及拡大を図ることにつながると期待されます。今回の取り組みがさらに進み「バーチャル富岳」の実現につながることにより、私たちの暮らしに重要な社会基盤としての「富岳」の成果の定着、これによるSociety 5.0社会[3]の実現が図られることを目指します。
- [1] デジタルツイン:現実世界(フィジカルワールド)から収集された膨大なデータがサイバーワールドで解析されることにより、仮想空間内に大規模・高精度にシミュレートされた現実世界の環境を再現すること。
- [2] アプリケーション:第一弾としては創薬などに用いられる分子動力学ソフトウェアのGENESISや、自動車などの工業用の高度な流体計算が主用途で、富岳を用いた新型コロナウィルスの飛沫感染のシミュレーションを行ったCUBEなど、R-CCSで開発しているソフトウェアを対象にしていますが、順次対象を広げていく予定です。現時点においては、GENESISについてはAWS Graviton3 CPUでの動作を確認しています。
- [3] Society 5.0社会:狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において日本が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。IoT(Internet of Things)、ロボット、AI(人工知能)、ビッグデータといった社会の在り方に影響を及ぼす新たな技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、経済発展と社会的課題の解決を両立していく新たな社会実現を目指すこととしています。
(2023年2月6日)