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フランス原子力・代替エネルギー庁と理化学研究所、神戸でワークショップを開催
EnglishCEAと理化学研究所は、CEAのアプリケーションSmileiとWarpX(いずれもParticle in Cellアプリケーション)、Gysela(核融合プラズマアプリケーション)での共同作業を通じて、すでにアプリケーション開発と最適化で強い協力関係を築いています。また、WarpXの徹底的な最適化により、CEAと理化学研究所はSC22においてACM Gordon-Bell prizeのファイナリストに選ばれました。
CEAの共同研究を管理するフランス・ボワロ-セルヌー氏は、「CEAと理化学研究所の共同研究の中で「富岳」を活用することで、CEAの研究者は理化学研究所の専門家の助けを借りてエクサスケールレベルのArmアーキテクチャ用のコードを準備できる。「富岳」の活用により成果が期待できそうなCEAのほかのアプリケーションでも、成功を重ねていきたい」とコメントしました。
本ワークショップでは、2022年1月の協定の更新の際に新たに追加された課題である量子コンピューティング(QC)に特に重点が置かれました。CEAと理化学研究所は、それぞれの機関内でQCの研究(基礎研究から応用開発まで)を推進しています。QCに関するオンラインでのキックオフ・ミーティングは行われていましたが、神戸での会合は、各チームが直接会って議論を深める場となりました。QCに関する両者の相互作用の可能性としては、量子プロセッシング・ユニット(QPU)のHPCインフラへの統合や、それぞれの量子コンピューティング施設への相互アクセスによる異なるQPUアーキテクチャでの量子アルゴリズムの検証が挙げられます。
CEAと理化学研究所は、人工知能の分野でも活動を推進します。通常の高性能計算機シミュレーションに代わるAIモデルの開発と精度、あるいはHPCシステムの利用方法の改善(AIモデルを用いたHPCシステムのエネルギー消費量の改善など)について議論しています。今後、双方が関心を寄せるコアなテーマを設定するための会議を開催する予定です。
CEAと理研では、60名以上のHPC、AI、ビッグデータ分野の研究者が、フランスと日本で年2回、交互に開催される全体会議に出席しています。COVID-19の大流行にもかかわらず、CEAと理化学研究所はハイブリッド形式でCEA-RIKENワークショップを開催し、成功させました。
ワークショップでは、アプリケーションの移植、量子コンピューティング(QC)、AIとビッグデータ以外にも、人材育成、システム管理、プログラミングとツール、新しいアーキテクチャのベンチマーク計測、科学的・社会的課題のためのアプリケーション開発(地震学、材料科学)などに関して生産的な議論が行われました。
CEAと理化学研究所の協力により、フランスと日本の研究者は、計算科学と計算機科学において多くの進歩と独自の発展を達成しました。今後5年間におけるさらなる成果が期待されます。
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(2022年11月8日)