トップページ イベント・広報 お知らせ一覧 たくさんの方のご参加、ありがとうございました~「富岳」BEGINS~
たくさんの方のご参加、ありがとうございました~「富岳」BEGINS~
基調講演
基調講演では、情報通信研究機構(NICT)理事長・慶應義塾大学 名誉教授の徳田 英幸様にご登壇いただきました。そのポイントは以下のとおりです。
- 安全安心なSociety5.0実現のためには、コンピューティングインフラ(「富岳」)とコミュニケーションインフラ(Beyond 5G)がきちんとつながってサービス(ソリューション)を創出することが重要。
- そのためのループは2つあり、ニーズ分析とシーズ開発を整合させるためのループと、サイバー空間とフィジカル空間が適切にループを形成できるデジタルツイン。
- NICTはゲームチェンジを意識してB5G/6G研究開発のHUBを目指す。
パネルディスカッション
今回の「富岳」BEGINSでは3つのパネルディスカッションが行われ、「まちづくり」「食」「創薬」という全く異なる観点から、現在わが国が抱える課題と、その解決にあたって「富岳」に寄せられる期待が語られました。
以下では当日の収録映像をご覧いただけます(期間限定で公開中→2021年11月19日公開終了)。
まとめのセッション
3つのパネルディスカッションでの議論を受け、まとめのセッションではHPCIコンソーシアム理事長・筑波大学計算科学研究センター長 朴泰祐 様、理化学研究所計算科学研究センター(R-CCS) 松岡聡 センター長、株式会社企(くわだて)代表取締役・慶應義塾大学大学院 特任准教授 クロサカタツヤ氏が、「富岳」を背景に議論を交わしました。ポイントは以下のとおりです。
- 「富岳」の登場によって最適化(全体最適)の追求がいよいよ現実的となった。 それは、スパコンがこれまでのバックエンドの役割から、国民生活で見える存在であるフロントエンドの位置づけのものへと進化したことを意味する。「富岳」はそこにチャレンジできるし、しようとしている。
- 「富岳」は日本でのスマホの年間出荷台数に匹敵する圧倒的な計算パワーを持ちつつ、AIやデータ同化など新たな手法への対応と汎用性を併せ持ったことで、ニーズ側からみたend-to-endのモデルでそれを可能とすることができる。
- 「富岳」だけですべての答えが出るわけではないが、各学問分野だけでは扱えなくなった世の中の複雑事象を、「富岳」での活動を通じて分野を超えて皆で考えるようになることが大事で、この「つながり」をプラットフォームとして提供できることが「富岳」の価値と言える。これが従来の常識を破る研究DXとなる。
- まさに本日のパネルでも事例が紹介されたが、これまでの研究で獲得してきたアセットを土台に、そのような「つながり」を能動的に生み出していくことが将来への鍵となる。
(2021年9月28日)