「富岳」などのスパコンを利用するためには、シェル操作や公開鍵の作成など様々な前提知識が必要であるため、初心者にとって学習コストが大きいという問題点がありました。また、近年では機械学習分野において、グラフィカルな対話操作をスパコン上で行いたいという需要があるのですが、その手順は複雑であるという問題点もありました。
それらを解決するため、Open OnDemandを「富岳」に導入しました。ユーザのWebブラウザから「富岳」を簡単に操作することができ、プラグインや他のソフトウェアのインストール・設定は不要です。また、リモートデスクトップやVSCodeなどによるグラフィカルな対話操作も、すべてWebブラウザから利用できます。
Open OnDemandは汎用的なツールなのですが、「富岳」で用いられているジョブスケジューラは少し特殊なので、そのジョブスケジューラを利用するためのアダプタを新たに開発する必要がありました[2]。現在は「富岳」で動作実績のある様々なアプリケーションの登録を行っています。今後はクラウドやストレージとの連携機能を開発することで、より便利に「富岳」を利用できるようにしていく計画です。