トップページ  >  イベント・広報  >  お知らせ一覧  >  毎日更新する新型コロナウイルス感染症の感染予測-天気予報のデータ同化手法を応用-

理化学研究所(理研)計算科学研究センターデータ同化研究チームの三好建正チームリーダー、キウェン・ソン大学院生リサーチ・アソシエイト、名古屋大学大学院多元数理科学研究科のセルジュ・リシャール特任教授らの共同研究グループは、毎日得られる最新のデータを生かした新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染予測を開始しました。
詳細は下記をご覧ください。

データ同化研究チーム

背景と成果のポイント

スーパーコンピュータの進化にともない、複雑な自然現象・社会現象のシミュレーションが可能となっています。また、シミュレーションと観測データを統合し、より精度の高いシステムを構築する「データ同化」と呼ばれる手法も発達してきました。データ同化は、天気予報をはじめさまざまな分野のシミュレーションに応用されていますが、これまで感染症の予測に応用された事例は限られていました。

今回、R-CCSデータ同化研究チームの三好チームリーダーらは、天気予報で使われる高度なデータ同化の手法をCOVID-19の感染予測に取り入れ、4つのシナリオ別の感染予測をチームウェブサイトで公開しました。

感染症の予測には、実効再生産数(1人の感染者が感染させた人の数)を使った「SIRモデル」と呼ばれるモデルが代表的です。三好チームリーダーらは、まずSIRモデルを元にCOVID-19の特徴をとらえた「拡張SIRモデル」を構築しました。さらに天気予報で使われる高度なデータ同化の手法を適用し、数理モデルと実測データを結び付けた感染予測を実現しました。

4つのシナリオは、過去3回の緊急事態宣言等の抑制効果に基づいたシナリオと、抑制効果のないシナリオです。全国の感染状況が、1回目、2回目、もしくは3回目の緊急事態宣言と同じ抑制効果をもって抑えられた場合の感染予測と、全く抑制効果のない状況を仮定した場合の感染予測です。この方法により、感染抑制効果が今後の推移に与える影響をイメージしやすくなります。

今後、より精緻な数理モデルを開発し、それと実測データを最適に結びつけるデータ同化をもちいることで、感染抑制効果の分析や感染抑制策の提案など感染対策に役立てられると期待されます。

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(2021年9月14日)