スクール初日に松岡 聡センター長(理化学研究所計算科学研究センター)が基調講演 ” AI for Science at Riken and Japan - Fugaku-LLM, Riken TRIP-AGIS, and FugakuNEXT (among others) ” を行いました。 スクールの講義内容は多岐にわたり、計算科学技術を軸に自然科学や応用物理等における最先端の動向について座学があり、質疑応答や意見交換が活発に行われました。また、各自のPCを用いたエレクトリカルポスターセッションでは、最初に参加者が自身の研究についてライトニングトークを行ったのち、他の参加者との交流を深めました。
ハンズオンセッションはアメリカの計算機(Bridges-2)を使い、ハイブリッド並列化技法やHPC Python等の演習を行いました。さらに、共通の課題に対して性能を競う Parallel Programming Challenge では、日本からの参加学生も他の参加者と協力して高速化に挑みました。
本スクールは、メンター制度に特色があり、数名の参加者に対してスタッフまたは講師を担当メンターとして割り当て、研究活動やキャリアについて相談ができる環境が整えられています。スクール期間中、複数回のメンタリングセッションが組み込まれており、各グループで多岐に渡る話し合いが行われ、国際的なネットワークを構築し、将来設計の具体化の一助となったようです。
スクール中には、開催地の文化交流と、多様なネットワーキングの場となるソーシャルイベントを六甲山上にて開催し、イベントホストである竹内 英所長(理化学研究所神戸事業所) やR-CCSとの研究教育等の連携の深い地元機関も参加しました。参加者からは『 HPC 分野のみならず計算科学の観点から異分野の参加者との交流において互いの分野について教え合い、自分の研究分野に応用できるアイデアを得た』『将来の HPC に関する議論などのパネルトークを聴けたところが非常に良かった』『現役の研究者の方々の意見が聞けて、世界中 HPC のトレンドが読めた』『研究者としての皆の悩み事に共感できたり、現役研究者の方々の経験が聞けて参考になった』等、高評価を得ました。
※本スクールは、開催にあたり兵庫県、神戸市による支援のもと、計算科学振興財団が運営する研究教育拠点( COE )形成推進事業による助成を受けています。