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スーパーコンピュータ「富岳」、4つのスパコンランキングで世界第1位を獲得!

「富岳」の画像

理化学研究所と富士通株式会社が共同で開発・整備を進めているスーパーコンピュータ「富岳」が、世界のスーパーコンピュータの性能ランキングであるTOP500、HPCG、HPL-AI、Graph500 において、第2位に大きな差をつけて世界第1位を獲得しました。TOP500、HPCG、Graph500 で同時に世界1位を獲得するのは世界で初めての快挙です。※HPL-AIは2019年11月に新設されたランキングです。

文部科学省が推進したスーパーコンピュータ「富岳」開発プロジェクトのもと、理化学研究所と富士通株式会社が総力をあげて開発に取り組んできた「富岳」が、複数のランキングでの世界第1位獲得を果たしたことで、日本のスパコン開発能力を世界に示したことになります。

記者会見について

スーパーコンピュータ「富岳」スパコンランキング世界第1位獲得 記者会見(YouTube、約55分)

「富岳」の世界第1位獲得を受け、理化学研究所と富士通株式会社は2020年6月23日、共同で記者会見を開催しました。当日の映像はYouTubeでご覧いただけます。

各ランキングについて

TOP500で1位は、陸上100m走で1位のイメージ

【TOP500】100メートル走で金メダル!

TOP500
LINPACK(密行列の直接解法)と言われるベンチマークプログラムの性能を競うランキング。
1993年からの歴史があり、このランキングで第1位になったスパコンが「世界一のスパコン」と称される場合が多い。多くの科学技術計算や産業アプリケーションで使用される浮動小数点数の演算能力に焦点をあてている。
「富岳」のスコアは 415.5ペタフロップス(1秒間で40京回以上の計算)。2位のSummit(アメリカ、148.6ペタフロップス)に2.8倍の差をつけた。

参考サイト:TOP500(英語)


HPCGで1位は、マラソンで1位のイメージ

【HPCG】マラソンでも金メダル!

HPCG(High Performance Conjugate Gradient solver)
疎な係数行列から構成される連立一次方程式を解く計算手法である共役勾配法(conjugate gradient method)を用いた新たなベンチマーク・プログラム。
TOP500での性能と実際のアプリケーションを実行したときの性能が乖離しているという問題意識から、自動車や飛行機の空力設計、構造計算などの実際のアプリケーションでよく使われる共役勾配法のプログラムで性能を評価するために提案された。
「富岳」のスコアは13.4ペタフロップス。2位のSummit(2.92ペタフロップス)に4.5倍以上の差をつけての圧勝となった。これは「富岳」の実用性の高さを実証しており、シミュレーションによる社会的課題の解決などへの活用が期待される。

参考サイト:HPCG(英語)


HPL-AIはAIへの適性を測る。チェスで1位のイメージ【HPL-AI】AIにも強い!

HPL-AI
低精度計算を用いることを認めたHPL(High-Performance LINPACK)の性能を計測するベンチマーク。
近年、GPUや人工知能向けの専用チップで低精度演算(10進数で5桁、もしくは10桁)の演算器を多数搭載し、高性能化をする計算機が多数現れており、ディープラーニングなどのAI処理に使われているが、これらの性能演算性能がTOP500に反映されない問題から、提案された。間接的に、低精度演算での演算能力を評価することで、ディープラーニングなどのAI処理の性能を評価することを目的とする。
「富岳」のスコアは1.42エクサフロップス*、2位のSummit(0.55エクサフロップス)に2.5倍以上の差をつけ、AIへの適応能力の高さを示した。
「エクサ」は「ペタ」の1000倍。1エクサは100京。

参考サイト:HPL-AI(英語)


Graph500は他のランキングとはやや毛色が異なる。陸上に対するフィギュアスケートのイメージ【Graph500】陸上だけでなくフィギュアスケートでも金メダル!?

Graph500
ビッグデータ解析に使われる、超大規模グラフの探索能力で計算機を評価するベンチマーク。
実社会における複雑な現象は、大規模なグラフ(頂点と枝によりデータ間の関連性を示したもの)として表現される場合が多いため、コンピュータによる高速なグラフ解析が必要とされる。このベンチマークで高スコアを出すためには、演算能力だけでなく、メモリ性能、ネットワーク性能が重要となる。
「富岳」のスコアは70,980ギガテップス*、2位の神威・太湖之光(中国、英名は Sunway TaihuLight)の23,756ギガテップスに約3倍の差をつけた。
「テップス(TEPS)」はTraversed Edges Per Secondの略。Graph500ベンチマークでは与えられたグラフの頂点とそれをつなぐ枝を処理するが、テップスは1秒あたりに処理した枝の数を表す。

参考サイト:Graph500(英語)


各ランキングについての詳細は、上にリンク先を示した英語の各サイトのほか、2020年6月17日記者勉強会 「スーパーコンピュータのランキングについて」(佐藤三久 副センター長)発表資料(PDF 約3MB) をご覧ください。

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