ハロー!スパコン 富岳版

第1回 スパコンとは

キャラクターアイコン:タイチ

「スパコン」って、何のりゃくなのかな?

キャラクターアイコン:レイナ

わたし、知ってる。
「スーパーコンピュータ」のことよ。
でも、何が「スーパー」なのかな。

キャラクターアイコン:ふがくん

きっと、ふがくんみたいに、かけっこがすごく
速いってことじゃないかな。

キャラクターアイコン:ももせさん

残念ざんねんでした!
すごく速いのはかけっこじゃなくて、計算よ。
スパコンは、ものすごく計算が速いコンピュータのことなの。

キャラクターアイコン:コンちゃん

しかも、スパコンの計算の速さはどんどん速く
なっているんですよ。

キャラクターアイコン:スパやん

へ~、そうなん? そもそもスパやんには、
スパコンとパソコンの区別くべつがつかへんわ。

キャラクターアイコン:ふがくん

スパコンとは、「普通ふつうのコンピュータより
はるかに計算が速いコンピュータ」のことです。
スパコンの計算速度は、家庭用パソコンの数百倍から数十万倍もあります。
家庭用パソコンの計算速度が人の歩く速度だとしたら、
スパコンの計算速度はロケットよりも速い速度になります。
「パソコンでは、インターネットの検索けんさくやゲームをするけれど、
計算はしていないよ」という人がいるかもしれません。
でも、パソコンで何かするときにはかならず、そのかげで計算が行われています。
スパコンはその計算がとても速く、大量たいりょうの計算が必要ひつようなときに使われます。
同じコンピュータでも、スパコンとパソコンは使い方がちがうのです。
しかし、スパコンもパソコンも計算の仕組みは同じです。
どちらにも、CPUシーピーユー中央処理装置ちゅうおうしょりそうち)という装置そうちが入っていて、CPUシーピーユーが計算をしています。
スパコンにはCPUシーピーユーがたくさん入っているので、高速で計算できるのです。

「スパコンとは、計算速度が○○以上いじょうのコンピュータのこと」とはっきりいえないのは、
スパコンがどんどん進歩しつづけているからです。

世界で最初さいしょのスパコンは、アメリカのCDCシーディーシー社が1964年につくった「CDCシーディーシー6600」です。
CDCシーディーシー6600の計算速度は現在げんざいのパソコンと同じぐらいでしたが、
当時の普通ふつうのコンピュータとくらべると桁違けたちがいに速いものでした。

1976年には、アメリカのCRIシーアールアイ社が、CDCシーディーシー6600の10倍以上いじょうの計算速度をもつCrayクレイ-1(図1)
というスパコンをつくりました。Crayクレイ-1は、スパコンをつくるときの
「手本」となり、日本をふくむ世界各国かっこくでスパコンがつくられるようになりました。

ドイツ博物館に展示されているCray-1

図1 ドイツ博物館はくぶつかん展示てんじされているCrayクレイ-1
(写真提供ていきょう:Clemens PFEIFFER)

その後、「少しでも計算速度の速いスパコンをつくろう」と、世界中の研究者が様々な工夫くふうかさね、
スパコンの計算速度はどんどん上がっていきました。
1993年からは、同じプログラムで決まった計算をしたときの計算速度で世界のスパコンの順位じゅんいをつける
TOPトップ500」というプロジェクトが始まり、1年に2回ずつ順位じゅんいが発表されています。
TOPトップ500の歴史れきしをたどると、1になったスパコンの計算速度は、
1993年から2020年までの27年間で100万倍以上いじょうにもなりました(図2)。
そして、今後もさらに上がると予想されています。

1993年からのTOP500ランキングの結果を表したグラフ。最も速いスパコンの計算速度は、1993年では約100ギガフロップス、2020年では約400ペタフロップス。

図2 スパコンの計算速度の進歩
フロップスは計算速度の単位たんい。メガは100万、
ギガは10おく、テラは1ちょう
ペタは1000ちょう、エクサは100けい

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