6 「富岳」の利用拡大等に向けた取り組み

6-2 国内機関との連携(R-CCS)

R-CCSでは、スーパーコンピュータ「富岳」等を活用した研究成果の社会普及を目的として国内の他機関とも連携し、将来を見据えた研究活動を行っている。

6-2-1 共同研究・協定等

R-CCSでは、計算科学振興財団(2008年3月締結)、高度情報科学技術研究機構(2011年11月締結)、神戸大学(2012年5月締結)、筑波大学計算科学研究センター(2017年2月締結)、東京工業大学情報理工学院(2018年10月)に次いで、2021年4月に兵庫県立大学大学院情報科学研究科との包括協定を締結し、研究等にかかる連携活動を行っている。

神戸大学大学院システム情報学研究科とは、この協定に基づき共同研究等を行っている。さらに、2015年度には神戸大学に「大規模計算科学講座」を、2019年度には東北大学に「先進的計算システム論講座」を設置し、連携大学院において若手研究者の人材育成を継続して行っている。

2022年8月に開始した文部科学省次世代計算基盤に係る調査研究事業(システム調査研究)の代表機関となり、採択された分担機関13者、協力機関9者のうち、複数の研究機関や企業と随時協定を締結し、連携協力を継続している。

また、「バーチャル富岳」の実現に向けて、「富岳」のArmアーキテクチャベースのA64FX CPUと互換性のあるAWS Graviton3 CPUを開発し、それを用いたクラウドサービスを提供するアマゾンウェブサービス(AWS)との間でMOU(Memorandum of Understanding、覚書)を締結し、「富岳」の機能がクラウド上に仮想的に再現されるソフトウェア環境の構築に向けた研究協力を行っている。

2023年度は、国内において大学等新たに14機関、合計10件の研究協力協定を締結し、共同研究については30機関、合計13件の契約を結び、積極的に外部機関との連携活動を行っている。

6-2-2 HPCIコンソーシアム

R-CCSは、2010年に文部科学省の委託事業として計算機構において「HPCIコンソーシアムの運営事務」を開始、2012年3月5日に一般社団法人HPCIコンソーシアムに加入申込、同4月2日からHPCIシステム構成機関会員となり、その活動を通じてユーザーコミュニティ、計算資源提供機関、その他産業界を含むHPCIに係る機関との連携を促進している。

また、2022年5月にコンソーシアム理事長に就任した富田浩文チームリーダーが、2023年度も引き続き、HPCIの在り方や人材育成等について、関係機関と検討を重ね、計算科学技術分野の推進に寄与した。

なお、2023年度も、R-CCS主催の人材育成事業( 夏の電脳甲子園「SuperCon2023」の協賛、「RIKEN International HPC Summer School 2023:Society 5.0に向けて」及び「 RIKEN International HPC Spring School 2024 Society 5.0に向けて」の後援)に広報等の協力を得ている。