R-CCSでは、これまでに米国、欧州、ASEANの各機関を中心に連携協力に関する契約を締結し、連携活動を行っている。
2020年度は、米国主導のスーパーコンピュータ(HPC)を用いたCOVID-19対策コンソーシアムへの参加や、カナダ国立研究機構(NRC)からの提案を受け、COVID-19対策とHPCを用いた研究課題を中心に、自然言語処理や材料科学、量子コンピューティングなどを取り上げたオンラインワークショップを共同開催した。その議論を契機に「富岳」を使用したドラッグスクリーニングをテーマとした共同研究課題(日本-カナダ二国間共同研究)提案に繋がった。
また、世界中がコロナ禍の影響を受けたが、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)の研究者をはじめ、同センターを通じてアセアン諸国の研究者との連携を進めて行くと同時に、同センターの運用技術の向上に協力するためにシンガポール科学技術研究庁計算資源センター(A*CRC)とMOUを締結した。さらに、シンガポール国立スーパーコンピューティングセンター(NSCC)とも新たにMOUを締結し、「富岳」の利用を目指した共通研究基盤の構築及び利用についての検討を進めた。その他、フランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)などとの定期協議、その他シンポジウムやワークショップなどがオンラインで開くなど、今後も米国、欧州、ASEANの各機関を中心に国際連携を図っていく。
連携締結機関 | 連携締結時期 |
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Scuola Internazionale Superiore di Studi Avanzati (SISSA) | 2011年5月 |
National Center for Supercomputing Applications (NCSA) | 2012年10月 |
University of Maryland | 2013年2月 |
Centre National de la Recherche Scientifique (CNRS)/ Maison de la Simulation (MDLS) | 2014年4月 |
Joint Laboratory for Extreme-Scale Computing (JLESC) | 2015年3月 |
OpenHPC | 2016年3月 |
University of Reading | 2017年1月 |
(*)Commissariat à l’énergie atomique et aux énergies alternatives (CEA) | 2017年2月 |
(*)Beijing Computational Science Research Center(CSRC) | 2017年7月 |
(*)IMT Atlantique | 2019年3月 |
The Pennsylvania State University | 2019年6月 |
OPEN ACC-STANDARD.ORG | 2019年8月 |
PEER(Pacific Earthquake Engineering Research Center)、神戸大学、防災科学技術研究所、海洋研究開発機構 | 2019年10月 |
National Chiao Tung University (Taiwan) | 2019年11月 |
National Central University (Taiwan) | 2019年12月 |
SYNAPSE “Synchrotron for Neuroscience – an Asia Pacific Strategic Enterpris |
2020年1月 |
Zuse Institute Berlin | 2020年2月 |
DAEGU University | 2020年3月 |
A*STAR Computational Resource Center(ACRC) | 2020年4月 |
National Supercomputing Centre(NSCC), Singapore | 2020年1月 |
European Centre for Medium-Range Weather Forecasts | 2020年11月 |
Arm社、富士通株式会社、Linaro社(DL4Fugaku) | 2021年1月 |
SODAS (Copenhagen Center for Social Data Science) | 2021年3月 |
Universität Regensburg: Fakultät für Physik | 2021年1月 |
(*)は理研本部で締結
我が国を代表する計算科学・計算機科学の拠点(COE)として、国内外の著名な研究者集め、最先端の研究に関する情報交換を行うThe 3rd R-CCS International Symposiumを、2021年2月15日(月)~2月16日(火)に開催した。今回のシンポジウムは〝The Supercomputer Fugaku: Simulation, Big data and AI supporting Society 5.0“をテーマとして、これまでの「富岳」の開発の詳説とアプリケーション活用実績、将来の共用計算機/フラグシップマシンのあり方(NGACIの活動報告)、国内外における将来を見据えた計算機科学や計算科学研究について議論するとともに、「富岳」におけるアプリケーション活用実績として新型コロナウィルス関係等の成果報告も行った
2020年度は、新型コロナウィルス感染拡大防止のためオンライン開催のみとなったが、国内外から207名の参加があった。