自由フェルミオン系における離散的量子断熱過程
Posted On 2021.01.04
回路構造によるcausality cone
理化学研究所計算科学研究センター量子系物質科学研究チームの白川知功研究員、柚木清司チームリーダー、理化学研究所創発物性科学研究センター計算量子物性研究チームの関和弘研究員らは、離散的な量子断熱過程をもとにした量子回路を用いることで、ある自由フェルミオン系の基底状態を厳密に再現できることを報告しました。また、その時必要な量子ゲート数は、エンタングルメントの広がり方によって決まるLieb-Robinson boundと一致していることを確認しました。
本研究成果は、米国の科学雑誌「Physical Review Research」にて掲載されました。
Journal reference: T. Shirakawa, K. Seki, and S. Yunoki, “Discretized quantum adiabatic process for free fermions and comparison with the imaginary-time evolution”, Phys. Rev. Research 3, 013004 (2021). DOI: https://doi.org/10.1103/PhysRevResearch.3.013004