6 「富岳」の利用拡大等に向けた取り組み

6-5 人材育成(RIST)

6-5-1 講習会・ワークショップ

幅広い利用技術のニーズに応えて各種の講習会やワークショップを開催し、2023年度は表1のように合計1814名が参加した。参加者のスキルアップを図ることにより計算科学研究及びそれを支える人材の育成に貢献するとともに、利用者の裾野拡大に努めた。また、材料系ワークショップ、CAEワークショップを開催し、総参加者数614名の内、産業界からの参加者は399名(65%)に及ぶなど、受講者のスキルアップを通して産業界における計算科学研究の人材育成に貢献した。

表1 2023年度に利用支援活動として開催した講習会・セミナー等への参加者数

利用支援に資する調査研究及び研究実施相談者の技術の習得やスキルアップを目的として、「京」の一般利用枠を利用した共用法第12条に基づく過去の調査研究等に関して論文化を進め、2篇の論文がHPCI利用研究成果集に掲載(2023年6月及び12月)されるとともに、関連する知見及び技術を蓄積し、高度化支援における提案などの場面で生かしている。これにより、計算機科学と計算科学の双方に精通する人材の育成を図った。

研究実施相談者等は、HPC分野での代表的な国際会議である米国SCへ参加し(オンライン及び現地参加)、最先端の研究動向の調査、技術情報の収集を図り、利用支援業務を行う者の資質の向上を図った。

6-5-2 学校向けイベント

青少年の科学技術(計算科学分野)への理解増進、将来のHPCI利用者となる研究技術者育成を目的として、以下の中学生・高校生・高専生向けアウトリーチ活動を実施した。

・C言語の基本を理解している中学生・高校生・高専生を対象とした「スパコン「富岳」体験塾2023」を2023年8月7日~8日に東京大学情報基盤センター、22日~23日にRIST神戸センターの2会場にて開催し25校より計37名が参加(「富岳」見学含む)した。(図1)東京会場では、TA(ティーチングアシスタント)として東京大学3年生を1名採用した。

神戸新聞社の取材が入り、体験塾の様子が8月8日、24日の神戸新聞に掲載された。

スパコン「富岳」体験塾2023風景
図1 スパコン「富岳」体験塾2023風景

・プログラミング初心者を対象とした「はじめてのプログラミング2023」を2024年3月28日にRIST神戸センターにて開催し、8校より計14名が参加(「富岳」見学含む)した。(図2)

前回同様TA(ティーチングアシスタント)として、神戸大学大学院生2名と外部のプログラミング教育業者から2名の計4名を採用した。

図2 はじめてのプログラミング2023風景
図2 はじめてのプログラミング2023風景