R-CCSでは、スーパーコンピュータ「富岳」等を活用した研究成果を社会に普及させるため、産業界との連携を推進している。2つの理研コンソーシアムの運営と、産業界へSociety 5.0実現のための技術基盤としての「富岳」の訴求、研究成果の訴求を行った。
「HPCを活用した自動車用次世代CAEコンソーシアム」は、大学・研究機関11法人と主要自動車関連企業16法人が参画、2023年度に2法人の新規入会があり、R-CCSソフトウェアの複雑現象統合シミュレーションフレームワーク「CUBE」を用いて産学連携による新たなものづくりのフレームワークの開発を行っている。具体的には、実験では計測が難しい実走行条件下での性能の予測への適用化、さらには多目的最適化や機械学習といったデータ科学との融合による新たなCAE技術の創出を目指している。これらは、文部科学省「富岳」成果創出加速プログラムの『「富岳」が拓くSociety 5.0時代のスマートデザイン』と『AIの活用によるHPC産業応用の飛躍的な拡大と次世代計算基盤の構築』の課題実施機関として推進している。
一般社団法人HPCIコンソーシアムにおけるユーザーコミュニティ代表機関としても活動を行っている。2023年度は総会2回、運営委員会2回を開催、ワーキンググループは2回開催し、毎回約60人の参加があり計15件の研究発表・講演がなされた。成果創出加速プログラムの設置期間に合わせて本コンソーシアム設置期間を2027年度末まで延長することを決議した。
「燃焼システム用次世代CAEコンソーシアム」は、大学・研究機関12法人と主要重工業、エネルギー関連企業11法人が参画、2023年度は1法人の新規入会があった。産学連携による次世代の燃焼システムのものづくりのフレームワークの構築と、その迅速な実用化を進めている。これらは、 文部科学省「富岳」成果創出加速プログラムの『「富岳」が拓くSociety 5.0時代のスマートデザイン』の課題実施機関として、またNEDO等の国家プロジェクトに参画し推進している。2023年度は総会2回、メール審議1回、運営委員会2回を開催、ワーキンググループは2回開催し毎回約60人の参加があり計10件の研究発表・講演がなされた。また、本コンソーシアムの研究成果として10件の学会発表・講演がなされた。成果創出加速プログラムの設置期間に合わせて本コンソーシアム設置期間を2027年度末まで延長することを決議した。
「富岳」の産業利用推進と研究成果を訴求する場として産業界向け展示会への出展を実施した。
『国際フロンティア産業メッセ』(9月)では、「富岳」に加えCOE成果、神戸スマートシティ事業についてアピールした。
また、AI関連展示会として初めて『AI・人工知能Expo』(10月)に産総研、NICTと連携しAI Japan R&D
Networkとしてカンファレンスと展示を行い理研の取り組むAI研究、「富岳」のAI開発環境構築、AIとHPCを活用した研究成果を紹介した。『彩の国ビジネスアリーナ』(1月)では埼玉県からの要請に応じ「富岳」の研究成果、産業利用について講演と展示を行った。
『国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」』(1月)ではマテリアルズインフォマティクス分野の研究成果を訴求した。