広がる裾野
より使いやすい、みんなの「富岳」へ

スーパーコンピュータ「富岳」は、2014年からの開発期間を経て2021年3月9日に完成、共用が開始された。

「富岳」の共用は、ハードやソフトの整備、稼働を支える電気・冷却設備の管理運用を担う理化学研究所 計算科学研究センター(R-CCS)と、利用者とのインターフェイスとして利用者選定、利用支援業務を担う一般財団法人高度情報科学技術研究機構(RIST)が協働して行っている。本年報では、2022年度の両機関による「富岳」に関する成果および活動を網羅する。

R-CCSでは、「富岳」がスパコン性能ランキングにおいて、引き続き、世界最高レベルの総合性能の高さを示した。また、「富岳」を利用した国際共同研究チームの研究成果が「ゴードン・ベル賞」を受賞し、国際的にも評価を受ける等、2022年度もSociety 5.0の実現、SDGsの社会実装と広範な「デジタルツイン」の実現を目指し、高性能計算科学における世界トップレベルの研究を遂行した。さらに、「富岳」の成果を商業クラウド上等でも直接利用できるよう、いわば「クラウドの「富岳」化(「バーチャル富岳」)」を目指す取り組みも開始した。

RIST では、特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律に基づく登録施設利用促進機関として、特定高速電子計算機施設の利用促進業務を引き続き推進するとともに、文部科学省科学技術試験研究委託事業「HPCIの運営」を代表機関として実施し、画期的な研究成果の創出及び科学技術の発展や産業競争力強化、並びにハイパフォーマンス・コンピュータ利用の裾野の拡大に貢献した。

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