幅広い利用技術のニーズに応えて各種の講習会やワークショップを開催し、2021年度は表1のように合計1,629名が参加した。参加者のスキルアップを図ることにより計算科学研究およびそれを支える人材の人材育成に貢献するとともに、利用者の裾野拡大に努めた。また、材料系ワークショップ、CAEワークショップを開催し、総参加者数855名の内、産業界からの参加者は495名(58%)に及ぶなど、受講者のスキルアップを通して産業界における計算科学研究の人材育成に貢献した。
利用支援に資する調査研究及び研究実施相談者の技術の習得やスキルアップを目的として、「京」の一般利用枠を利用した共用法第12条に基づく過去の調査研究等に関して論文化を進め、1篇の論文がHPCI利用研究成果集に掲載されるとともに、論文2篇を同成果集に投稿し、関連する知見及び技術を蓄積し、高度化支援における提案などの場面で生かしている。これにより、計算機科学と計算科学の双方に精通する人材の育成を図った。
研究実施相談者等は、HPC分野での代表的な国際会議である米国SCへ参加し(オンライン開催)、最先端の研究動向の調査、技術情報の収集を図り、利用支援業務を行う者の資質の向上を図った。
また、2020年度に任期付の研究員として採用した計算科学分野における博士号取得者2名は、利用支援業務を充実させると同時に、将来のHPCを担う人材として、2021年度に定年制職員に採用した。
青少年の科学技術への理解増進、将来のHPCI利用者となる研究技術者育成を目的に、以下の中学生・高校生・高専生向けアウトリーチ活動を実施した。
「スパコン「富岳」体験塾」を2021年8月に六甲学院中学校・高等学校(リモート会場)にてオンライン開催し5名が参加、同年12月にRIST神戸センター(RIST会場)にて開催し4校より計9名が参加した。(図1)
*2021年度のスパコン「富岳」体験塾開催は、オンラインでRIST会場とリモート会場(六甲学院)の2会場で同時開催する予定で進めていたが、直前に兵庫県に「緊急事態宣言」が発令され、さらにRIST内に新型コロナウイルス感染者が発生したため、当初予定を変更して2回開催となった。
*12月開催分はNHK総合の兵庫ニュースで放映された。
広報サイト「富岳百景」「学び」ページを2021年12月に公開した。
「はじめてのプログラミング 出前授業」を2022年2月に奈良学園高等学校にて開催し 33名が受講した。
スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の研究課題支援として、計算資源(ROKKO)を貸し出し中(兵庫県立小野高等学校、2021年12月~2022年6月予定)。