6 「富岳」の利用拡大等に向けた取組

6-3 国内機関との連携(RIST)

「京」、「富岳」の運営にあたり、RISTは利用促進業務の実施において、その透明性を確保しつつ、公正な手続きの下で、「京」、「富岳」を活用した成果創出を図るため、2012年4月に理化学研究所との間で連携協力協定を締結し、定期的な情報交換・協議等を行っている。

2021年度は、R-CCSと毎月定例の連絡会を開催した他、組織横断かつ両機関が連携して取り組むべき施策や、その課題の解決等をトップダウンで意見交換する場として設置した「富岳」連携協力会議の第2回目を2022年3月に開催し、研究開発プラットフォームとしての「富岳」の利用制度や運用、「富岳」クラウド的利用等について意見交換を行った。

また、計算科学振興財団(FOCUS)との間では、「京」、「富岳」を中核としたHPCIの産業利用を促進するため、連携協力協定の下、情報交換等を行いつつ、それぞれが有する知見等を活用した連携協力を行っている。2021年度は、RIST、FOCUS、文部科学省の三者による情報交換のための定期的な打合せを行い、新たな産業利用促進施策の検討等を行った。

共用法に定める登録施設利用促進機関(登録機関)であるRIST、公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)、一般財団法人総合科学研究機構(CROSS)の3登録機関は、「京」、「富岳」と大型実験施設(SPring-8、SACLA、J-PARC)で、それぞれの特性を相互に補うことで、より一層の成果創出を期待し、連携利用を進めている。

そのため、この3登録機関では、2014年度以降、数値シミュレーション手法と実験的手法の特性を相互に補い合う形での研究成果の創出が期待される連携利用課題の募集等、及び「大型実験施設とスーパーコンピュータとの連携利用シンポジウム」を開催している。第7回目となる連携利用シンポジウムを2021年9月にオンラインにて開催し、結晶、非結晶、高分子・ソフトマターなど様々な物質で展開されている放射光・中性子の量子ビーム実験や理論計算による最前線の研究が紹介され、新しいサイエンスの展開へ向けた議論を行い、量子ビーム実験と理論計算の連携利用が拓く物質科学の可能性を模索した。