R-CCSでは、計算機科学と計算科学の連携・融合により先進の科学的成果と技術的ブレークスルーを生み出す国際的な研究拠点の形成を目指して、次のような研究事業にも取り組んだ。
R-CCSでは、東京大学情報基盤センターと連携し、HPCI共用ストレージシステムの保守運用に関して、年度始めに年間稼働率100%(リード・ライト共)、連続稼働1,000日、データ消失・セキュリティインシデント共にゼロなど、明確な運用目標を定め、目標達成に向けた施策を実施した。
昨年度に引き続き、2021年度も理研・東大両拠点にそれぞれ一つ以上データを配置する拠点間データ二重化運用を実施した。拠点間データ二重化運用により、片方の拠点でメンテナンスや障害のために運用を停止しても、もう一方の拠点を運用することによりサービスを停止することなく連続稼働を実施することができた。2021年度では、年間合計8回(東大との共通メンテナンス3回、R-CCS単独メンテナンス2回、東大単独メンテナンス3回)のメンテナンスを実施し、新規課題への対応、基本ソフトウェアのバージョンアップ、ハードウェア障害対応、SINET6への対応を行った。
いずれのメンテナンスも東大、理研で交互に片拠点運用を実施することでサービスを継続した。 2022年3月9日に発生したネットワーク障害により年間稼働率は99.96%となったが、連続稼働日数は1,246日を記録し、連続稼働1,000日の目標を達成している。データ消失、セキュリティインシデント共にゼロ件であり運用目標を達成している。
また、2021年度は引き続きサービス監視をユーザーに提供している。2021年度は課題参加者別に課題個別の情報を提供できるように、ダッシュボード、情報取得環境を整備した。 夜間休日の通報業務は、これまで業者に発注していたが、サービス監視を拡張することで自動電話による通報に切り替える。2022年4月から自動電話による本格運用を行う予定である。その他、HPCI共用ストレージ、ログインサーバのバッチ環境や、コンテナオーケストレーションの整備を行っている。
兵庫県、神戸市協調のもとで研究助成事業を受け、2017年度より、防災・減災や創薬などの地域の課題解決等に資する分野における「京」および「富岳」を活用した最先端の研究を遂行している。また、研究成果の地域への還元を図るための普及啓発活動を通じて、計算科学・計算機科学の研究教育拠点(COE)の形成とその振興を図っている。
2021年度は、Society 5.0社会の実現を見据え、地域の課題解決等に資する研究として、下記の9課題に取り組んだ(課題⑧⑨は2021年度からの新課題)。
2021年度、R-CCSでは、前述の他にも政府系プロジェクト、助成事業等多様な外部資金課題を獲得し、センター内外の研究者・機関と連携し研究を遂行した。
政府系機関に係る受託プロジェクトでは、AIP、CREST、さきがけ、SICORP、ムーンショット型研究開発事業等により、社会課題や政策に係る研究活動に寄与した。
外部資金種類 | 課題件数 (継続課題・予定課題含) | 受託・助成額(外部機関配分額含) |
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政府関係受託・JST(AIP、CREST、さきがけ、SICORP、ムーンショット型研究開発事業) | 8 | 134,868 |
政府関係受託・内閣府 | 2 | 31,100 |
政府関係受託・文科省 | 7 | 423,597 |
政府関係受託・その他(NEDO、国土交通省等) | 7 | 121,571 |
研究教育拠点(COE)形成推進事業研究助成金 | 9 | 124,600 |
科研費(補助金) | 34 | 78,092 |
科研費(基金) | 21 | 19,912 |
合計 | 88 | 933,739 |