幅広い利用技術のニーズに応えて各種の講習会やワークショップを開催し、2022年度は表1のように合計1439名が参加した。参加者のスキルアップを図ることにより計算科学研究及びそれを支える人材の人材育成に貢献するとともに、利用者の裾野拡大に努めた。また、材料系ワークショップ、CAEワークショップを開催し、総参加者数737名の内、産業界からの参加者は452名 (61%) に及ぶなど、受講者のスキルアップを通して産業界における計算科学研究の人材育成に貢献した。
利用支援に資する調査研究及び研究実施相談者の技術の習得やスキルアップを目的として、「京」の一般利用枠を利用した共用法第12条に基づく過去の調査研究等に関して論文化を進め、1篇の論文がHPCI利用研究成果集に掲載(2023年5月)されるとともに、関連する知見及び技術を蓄積し、高度化支援における提案などの場面で生かしている。これにより、計算機科学と計算科学の双方に精通する人材の育成を図った。
研究実施相談者等は、HPC分野での代表的な国際会議である米国SCへ参加し(オンライン参加)、最先端の研究動向の調査、技術情報の収集を図り、利用支援業務を行う者の資質の向上を図った。
青少年の科学技術(計算科学分野)への理解増進、将来のHPCI利用者となる研究技術者育成を目的に、以下の中学生・高校生・高専生向けアウトリーチ活動を実施した。
・C言語の基本を理解している中学生・高校生・高専生を対象とした「スパコン「富岳」体験塾2022」を2022年8月23日~24日にRIST神戸センターにて開催し6校より計14名が参加(「富岳」見学含む)した。(図1)
前回(2021年12月)と同じくNHK神戸放送局の取材が入り、体験塾の様子がNHK総合の兵庫ニュースで放映された。
・プログラミング初心者を対象とした「はじめてのプログラミング2022」を2023年3月28日にRIST神戸センターにて開催し9校より計13名が参加(「富岳」見学含む)した。(図2)
今回はじめてTAサポートを募集し、神戸大学工学部の学生アルバイト1名を採用した。
・スーパーサイエンスハイスクール(SSH)研究課題支援として、計算資源ROKKOの貸し出し(兵庫県立小野高等学校 2021年12月~2022年6月)を行った。
・広報サイト「富岳百景」の中学生・高校生・高専生向け「学び」ページを2023年3月にリニューアル公開した。