R-CCSでは、スーパーコンピュータ「富岳」等を活用した研究成果を社会に普及させるため、産業界との連携を推進している。2つの理研コンソーシアムの運営と、産業界へSociety 5.0実現のための技術基盤としての「富岳」の訴求、研究成果の訴求を行った。
「HPCを活用した自動車用次世代CAEコンソーシアム」は、大学・研究機関11法人と主要自動車関連企業15法人が参画、R-CCSソフトウェアの複雑現象統合シミュレーションフレームワークCUBEを用いて産学連携による新たなものづくりのフレームワークの開発を行っている。これらは、文部科学省「富岳」成果創出加速プログラムの『「富岳」を利用した革新的流体性能予測技術の研究開発』と『「富岳」が拓くSociety 5.0時代のスマートデザイン』の課題実施機関として推進している。 一般社団法人HPCIコンソーシアムにおけるユーザーコミュニティ代表機関としても活動を行っている。2022年度は総会1回、運営委員会2回を開催、ワーキンググループは2回開催し毎回約60人の参加があり計18件の研究発表・講演がなされた。
「燃焼システム用次世代CAEコンソーシアム」は、大学・研究機関11法人と主要重工業、エネルギー関連企業10法人が参画、産学連携による次世代の燃焼システムのものづくりのフレームワークの構築と、その迅速な実用化を進めている。これらは、 文部科学省「富岳」成果創出加速プログラムの『スーパーシミュレーションと AI を連携活用した実機クリーンエネルギーシステムのデジタルツインの構築と活用』と『「富岳」が拓くSociety 5.0時代のスマートデザイン』の課題実施機関として推進している。 2022年度は総会1回、運営委員会2回を開催、ワーキンググループは2回開催し毎回約60人の参加があり計13件の研究発表・講演がなされた。また、本コンソーシアムの研究成果として11件の学会発表・講演がなされた。
「富岳」の産業利用推進と研究成果を訴求する場として産業界向け展示会への出展を実施した。
『国際フロンティア産業メッセ』(9月)では、「富岳」に加えCOE成果、神戸スマートシティ事業についてアピールした。 また、『京都スマートシティエキスポ』(10月)では「富岳」利用について展示を行った。理研として出展した『Bio Japan』(10月)、『CEATEC』(10月)では「富岳」と量子コンピュータを前面に出すことで大きな訴求効果があり、合わせてR-CCSソフトウェアの紹介も行った。 『国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」』(1月)ではマテリアルズインフォマティクス分野の研究成果を訴求した。 コロナ禍でオンラインとなっていた展示会がリアル開催へと戻り来訪者との直接のコミュニケーションを取る機会となった。