RIKEN RIKEN

大阪・関西万博アクションプラン 「リモートセンシング技術による
高精度データの解析及びリアルタイム配信の実証」​におけるR-CCSの取組み

1. 30秒更新のゲリラ豪雨予測手法

ゲリラ豪雨は脅威です。わずか5分や10分といった短時間で状況が急激に変化するため、前もって予測し備えるのが難しいことから、「ゲリラ」に例えられています。三好建正チームリーダーらは2016年に「解像度100mで30秒ごとに更新する30分後までの天気予報」という、空間的・時間的に桁違いな「ゲリラ豪雨予測手法」を開発しました。​

地図データ(国土地理院)

2. スーパーコンピュータ「京」「富岳」で切り拓いた天気予報革命​

脅威が増す豪雨災害に立ち向かうため、新型センサによるビッグデータと、次世代スーパーコンピュータによるビッグシミュレーションを掛け合わせる「ビッグデータ同化」の技術革新により、天気予報に革命を起こしてきました。​

ビッグデータ ×ビッグシミュレーション

ビッグデータ ×ビッグシミュレーション 30秒更新(1時間より120倍高速)100m解像度(1kmの100倍の格子点)10240倍のアンサンブル(100個の100倍)→天気予報を革命 全て世界一!

3. 大阪・関西万博にて世界初の実証

大阪・関西万博アクションプラン「リモートセンシング技術による高精度データの解析及びリアルタイム配信の実証」として、世界初、「富岳」と2台の最新鋭マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダ(MP-PAWR)を用いた超高速高精度なリアルタイム予測の実証実験を、大阪・関西万博の会場を含む関西圏で実施します。
​気象レーダーでは「降雨減衰」と呼ばれる強い雨の後ろ側の雨が見えなくなる事象がありますが、レーダーが2台の場合は強い雨の後ろ側が見えるため「降雨減衰」が解消できます。加えて、風の情報が正しく見えることで、雨の予報の精度向上が期待されています。​

リモートセンシング技術による高精度データの解析及びリアルタイム配信の実証 2025年大阪・関西万博アクションプランVer.7(令和7年2月3日より引用)

4. 大阪・関西万博「未来社会の実験場」への寄与

実証実験では、5~10分という短時間で状況が急激に変化するゲリラ豪雨を予測するため、「富岳」の約13%の計算資源を占有利用し、500メートル解像度で30秒毎に更新する30分先の予測を行います。​実証実験で得る予報データは、気象業務法に基づく予報業務許可のもと、理化学研究所の天気予報研究のウェブページおよび株式会社エムティーアイのスマートフォンアプリ「3D雨雲ウォッチ」で、万博期間中の7~8月の1か月程度公開します。​理化学研究所は大阪・関西万博アクションプランを通して、万博に寄与しています。​​

天気予報研究のウェブページのイメージ
天気予報研究のウェブページのイメージ
スマートフォンアプリのイメージ

(株)エムティーアイ

スマートフォンアプリのイメージ

2025年大阪・関西万博において、会場における大雨を高精度に観測・予測するため、総務省・NICT 等が開発した次世代気象レーダ等による「高精度な気象予測情報」提供の実証実験を行いました。 雨雲の状態等の情報を、スマートフォンアプリのプッシュ通知等により、博覧会協会や来場者等に配信することに成功しました。
詳細は大阪・関西万博における「高精度な気象予測情報」提供の実証実験の結果(総務省ウェブサイト)をご覧ください。