研究者に聞いてみよう! 第6回

運用技術部門 ソフトウェア技術チーム
フラッグシップ2020プロジェクト アプリケーション開発チーム
寺井 優晃 開発研究員

K computer Newsletter No.14 : 研究者に聞いてみよう!

「京」のソフトウェア開発に携わるメカニカルドクター ―― 寺井さんは現在、計算科学研究機構の運用技術部門で「京」のソフトウェア(アプリケーションおよびツール)の開発研究を担当しています。大学院時代に並列計算機と計算科学に出会い、現在は、ポスト「京」と呼ばれる「京」の後継機の開発にも携わっている計算科学のスペシャリストです。また、技術開発の成果を研究論文として投稿し、専門家が集まる会議で発表しています。そんな忙しく、縁の下の力持ちでもある寺井さんにお話を伺いました。
(明石北高等学校2年生 有志)

  • Q.研究員になったきっかけはなんですか?
  • A.大学で「計算科学」と呼ばれる、計算機科学と自然科学が融合した分野があることを知り、大学院では計算科学の一分野である数値流体力学を学びました。その後、大学・大学院で学んだことを活かせるような仕事に就きたいと思ったことがきっかけですね。
  • Q.研究員という仕事のおすすめポイントはどこですか?
  • A.普通の会社は契約で労働時間を定めていることが多いです。でも、研究員の仕事はそれぞれの担当や能力に依るところが大きく、一括りに労働時間を定めることは難しいので、理研では裁量労働制、つまり研究員が自分の裁量で仕事の時間配分をしてもよいことになっています。おそらく、自己管理ができて、成果を出し続ける自信がある人にとっては研究所の職場環境はよいと思います。
  • Q.学会発表の場での勝負服はありますか?
  • A.勝負服は特にはないですが、経験的には、工学系の方だとスーツが多く、理学系ではゆるい感じがあります。ある学会でアロハシャツの人を見かけたこともあります。でも、悩むぐらいならスーツが無難だと思います(笑)。
  • Q.もしも研究者じゃなかったら?
  • A.実は全く覚えていないのですが、幼稚園の卒業アルバムの将来の夢に「先生」と書かれていたので、もしかするとそういう道もあったかも…なんの先生かわからないですけどね(笑)。ただ、常々、社会における問題を発見し、微力ながら問題の解決に貢献したいと考えていたので、今のエンジニアの仕事はある程度理想に沿っていると思います。
  • Q.高校生へのメッセージをよろしくお願いします!
  • A.自分のすべきこととやりたいことを常に考えて、それらにどれだけ挑戦できるかが大事だと思います。そのためには目的を明確にし、日々の努力が必要だと思います。皆さんの年頃は人生で一番貴重な時間ですので、いろいろ挑戦してみてください。おそらく何十年か後にその投資が返ってくると思います。余談なんですけど、私は若いときあまり勉強をしなかったので、今頃になって英語や英会話で苦労することが多いです(笑)。ぜひ今のうちに単語力ぐらいはつけておくと、将来違った世界が見えてくると思います。

プロフィール
てらい・まさあき。エンジニア。金沢高専卒業。岡山大学理学部卒業後、JAISTで学位(情報科学)取得。2006年から理化学研究所勤務。鷹揚な生き方に憧れながらも、待てど海路の日和なし。趣味は温泉巡り。

明石北高等学校の皆さん

【開発研究員のとある1週間(9:30~19:00)】

勤務時間は基本的に、9時半から19時くらいまで。論文執筆などは勤務時間外に集中して行うと効率良いことが多いです。夜遅くまで仕事することもありますが、一旦帰宅して夕飯をとってから自宅で仕事するなど、規則正しい健康な生活になるよう心がけています。

インタビューを終えて

今回、普段関わることのない研究者とのインタビューを通して、貴重なお話を伺うことができ、新たな発見をすることができました。お話しする中で、寺井さんの仕事へのまっすぐな姿勢を感じました。「華を支える地味な人がいるのが仕事で、華しかないものはギャンブルだ」という話がありました。この話を聞き、地味なことにしっかりと取り組むことが大切であり、その苦労をすることで華を咲かせることができるとわかりました。ついつい華に目が行ってしまいますが、その裏にある努力に目を向けることが大切だと思いました。最後に、今回忙しい中、私たちのインタビューに時間を割いていただきありがとうございました。取材に携わってくださったすべての方々に感謝します。

(取材・執筆:高橋うらら、鳥本あかり、森美賢、山本奈央、鎌谷海斗、山本達也)