研究者に聞いてみよう! 第2回

総合防災・減災研究ユニット
藤田 航平 訪問研究員

K computer Newsletter No.10 : 研究者に聞いてみよう!

藤田さんは地震工学の分野に携わる研究者で、その中でも計算地震工学のスペシャリストです。「京」を使って都市をそのまま丸ごと再現し、地震が起きたときにどの建物がどのように壊れるのか、また地震による津波で水がどのように都市に流れ込むのかなどについて計算による数値シミュレーションを行い、地震による被害をどう減らせるかを考える研究を行っています。数値シミュレーションには計算プログラムと計算モデルの2つの要素が必要です。藤田さんは計算プログラムの専門家です。藤田さんにいろいろな質問をしました。
(神戸市立六甲アイランド高校有志)

  • Q.なぜ地震について研究をしようと思ったのですか?
  • A.計算をするのが好きだったからです。論理的なことが好きなので、論理の塊である数値シミュレーションをしたいと思っていました。地震は複雑な問題で数値シミュレーションが役に立つので、このテーマを選びました。
  • Q.高校時代の得意科目や苦手科目、勉強方法を教えてください。
  • A.得意科目は数学と物理、苦手科目は国語でした。暗記が苦手でしたが、世界史や日本史は情勢を追っていくのが面白かったので苦手じゃなかったですね。あまりいい方法じゃないかもしれないけど、得意科目を伸ばして苦手を補う戦法をとりました。
  • Q.大学に入って驚いたことはありますか?
  • A.あんまりないかな。でも、高校では教科書を読めば勉強ができたのですが、大学に入ると必ずしも教科書に答えが載っていないことには驚きました。だから図書館を活用するなどして、判断をするための基礎力と、文献を調べる力を鍛えました。考え方も変わり、ものを疑ってみるようになりました。
  • Q.何ヵ国話すことができますか?
  • A.日本語と、ちょっと英語を話せます。僕は実は帰国子女で、小学生の時にアメリカにいましたから、英語は大丈夫です(笑)。それじゃなかったら受験の時に相当大変でした。学会では英語で話します。
  • Q.趣味は何ですか?
  • A.山登りです。今は世界中どこでもインターネットや電話で連絡をとれるけど、山では電波が届かず、自然の中で生きていることを実感できます。それに、ただただ登るので、いろいろなことを忘れられる。一人の時間も大切だと思います。
  • Q.高校生の時にこんなことをしておけばよかったなということはありますか?
  • A.もっと友達をつくっておけばよかったなと。歳を取るにつれて接する人が同じ分野に限られてくるので、高校の時にいろんな人と仲良くなっているといいと思います。
  • Q.会ってみたい有名人はいますか?
  • A.アインシュタインです。20代からすごい論文を書き続けてきた人。同じ年齢のアインシュタインに会って、何が自分と違うのかをみてみたいです。
  • Q.藤田さんにとって研究とはなんですか?
  • A.すごく熱中できるもの。何ヵ月も集中して研究をしている間に、今までわからなかったことがわかって、今までできなかったことができるようになる。そんなところが好きです。
  • Q.今の夢は何ですか?
  • A.計算機の進歩で、細かい計算や大きい計算ができるようになっている。従来から解いている問題を細かく、大きく解くだけでなく、この力を使って、今まで解いてきた問題とは質的に違う新しい計算をすることが夢です。

プロフィール
神奈川県立湘南高校卒業。東京大学工学部社会基盤学科卒業後、同大学院工学系研究科社会基盤学専攻に進学。博士課程修了後、現職。

神戸市立六甲アイランド高校の皆さん

インタビューを終えて

実際に研究者に直接インタビューするのはめったにない機会だったので、ほんとうに貴重な経験ができました。藤田さんの研究内容はもちろんのこと、日常生活についてもお聞きすることができました。研究内容の説明をはじめ、インタビューを通して、「論理的」や「合理的」といった言葉を何度も聞きました。地震に限らず、ある物事に対して筋道を立てて、論理的に考えることの大切さを藤田さんから教わりました。現在は科学が世界的に進歩して、なくてはならないものになっているので、なおさらそういうことが重要視されるのではないかと思います。最後になりましたが、お忙しい中、このような機会を設けて下さり、ほんとうにありがとうございました。

(佐野 舜太、上田 悠人、岩尾 大輝、稲田 晃大、飯田 庸太郎、西田 和馬)