科学の革新へ
「富岳」を超える”次の頂”

スーパーコンピュータ「富岳」は、2014年からの開発期間を経て2021年3月9日に完成、共用が開始された。

「富岳」の共用は、ハードやソフトの整備、稼働を支える電気・冷却設備の管理運用を担う理化学研究所 計算科学研究センター(R-CCS)と、利用者とのインターフェイスとして利用者選定、利用支援業務を担う一般財団法人高度情報科学技術研究機構(RIST)が協働して行っている。本年報では、2024年度の両機関による「富岳」に関する成果及び活動を網羅する。

R-CCSでは、「富岳」がスパコン性能ランキングにおいて、引き続き総合的に世界最高クラスの実力を示した。また、AIにより科学研究に革新を生み出す「AI for Science」への取り組みのため、新たにAI for Scienceプラットフォーム部門を発足させ、科学技術におけるAI活用を推進する等、社会課題の解決を目指す先進的な取り組みが進展した。さらに、「富岳」の次世代となる新たなフラッグシップシステムの開発・整備に向け、開発コードネームを「富岳NEXT」(英語名:FugakuNEXT)とするプロジェクトを開始し、理研神戸地区隣接地に整備することを決定した。

2024年度、RISTは「富岳」をはじめとする先端計算基盤の円滑な利用を支える組織として、公正且つ中立の立場から活動を展開した。研究者や企業から寄せられる多様な相談に対応し、必要な支援を提供することで、幅広い分野で計算科学が活用される環境づくりを進めた。主要なソフトウェアの整備やGPU対応の検討を通じて、将来の計算環境にも備えている。人材育成では、延べ2,000名を超える参加者を迎えた講習会やワークショップを実施し、若手から実務者までのスキル向上を後押しした。広報活動では、情報サイトの改善やデジタルメディアを活用した情報発信を行い、成果や可能性を社会へ広く伝えた。さらに、実験施設や国内外の機関と連携し、実験・データ科学と計算科学の融合を推進。新たな研究の可能性を開く取り組みを進めている。RISTは、常に中立・公正な立場で利用を支え、「富岳」の成果を未来へとつなげる役割を果たしている。

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