3.1.8.2. コンパイラのモード

スーパーコンピュータ「富岳」の C言語コンパイラは、ユーザインタフェースの異なる2種類のモードを持ちます。

使用するモードは、翻訳コマンドのオプションで選択します。

モード名

翻訳オプション

説明

tradモード

-Nnoclangを指定
または、省略時
  • スーパーコンピュータ「京」、および、PRIMEHPC FX100以前のシステム向け富士通コンパイラをベースとしています。

  • tradモードは、従来の富士通コンパイラとの互換を重視する場合に適しています。

  • サポートしている仕様は、C89/C99/C11、OpenMP 3.1/OpenMP 4.5(一部)です。

  • tradモードの詳細については、C言語使用手引書の「第2章 翻訳から実行まで」から「第8章 プログラムのデバッグ」および「付録」をお読みください。

clangモード

-Nclangを指定

  • オープンソースソフトウェアであるClang/LLVMコンパイラをベースとしています。

  • clangモードは、最新言語仕様を使用したプログラムや、オープンソースソフトウェアを翻訳する場合に適しています。

  • サポートしている仕様は、C89/C99/C11、OpenMP 4.5/OpenMP 5.0(一部)です。

  • ACLEおよびFP16はclangモードのみサポートします。

  • clangモードの詳細については、C言語使用手引書の「第9章 clangモード」をお読みください。

注意

  • clangモードとtradモードの翻訳時オプション体系は異なります。そのため、プログラムの翻訳に使っていたコンパイラのモードを変更する場合には注意が必要です。

  • 機能概要が同じ翻訳時オプションを指定しても、clangモードとtradモードでは最適化の適用結果が異なる場合があります。