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「京」が性能指標(HPCG)で世界第1位を獲得 -産業利用など実際のアプリケーションにおける高い性能を証明- SC16(米・ソルトレイク)

→プレスリリース全文(2016年10月)

SC16 HPCG受賞式。右から2番目がドンガラ博士。3番目が熊畑開発研究員、4番目は運用技術部門ソフトウェア技術チームの南チームヘッド。5番目は富士通の次世代テクニカルコンピューティング開発本部の三吉部長。

世界中のコンピュータシステムの、連立一次方程式の処理速度上位500位までを定期的にランク付けし評価するプロジェクトとしてTOP500があります。TOP500の評価指標は、米国のテネシー大学のジャック・ドンガラ博士らによって開発された連立一次方程式を解くベンチマーク・プログラム:LINPACKです。TOP500は、プロジェクトが発足した1993年から20年以上が経過し、近年、実際のアプリケーションで求められる性能要件との乖離やベンチマークテストにかかる時間の長時間化が指摘されています。

そこで、ジャック・ドンガラ博士らにより、産業利用など実際のアプリケーションでよく使われる計算手法である共役勾配法を用いた新たなベンチマーク・プログラム:HPCGが提案されました。2014年6月のISC14で世界の主要なスーパーコンピュータ15システムでの測定結果の発表を経て、同年11月に米国ニューオーリンズで開催されたHPCに関する国際会議SC14から正式なランキングが発表されています。

「京」は、2016年のTOP500では第7位ですが、今回のHPCGでは世界第1位を獲得しました。TOP500では「京」よりも上位で9倍以上のスコアを持つ「神威太湖之光」などを上回っており、HPCGスコアで世界一であることは、「京」が産業利用などの実際のアプリケーションをより効率的に処理できることを示しています。

Dr. Jack Dongarra この性能指標(HPCG)を提唱しているジャック・ドンガラ博士は、「『京』は浮動小数点演算性能とメモリ転送性能のバランスが非常によく、広い分野の科学計算アプリケーションで非常に高い性能を発揮できるアーキテクチャであるということを、HPCGで1位を獲得したということが示しています。」とコメントしています。

2016年10月発表HPCGの上位10位

順位 システム
名称
設置場所 ベンダー 国名 TFLOPS TOP500
順位
Graph500
順位
1理研 計算科学研究機構富士通602.7 71
2天河2号広州国立スーパーコンピューティングセンターNUDT580.0 28
3Oakforest-PACS最先端共同HPC基盤施設富士通385.5 6-
4神威太湖之光無錫国立スーパーコンピューティングセンターNRCPC371.2 12
5Cori国立エネルギー研究科学計算センターCray355.4 5-
6Sequoiaローレンス・リバモア研IBM330.4 43
7Titanオークリッジ研Cray322.3 3-
8Trinityロスアラモス研Cray182.6 10-
9Pleiadesアメリカ航空宇宙局(NASA)HPE/SGI175.2 1341
10Miraアルゴンヌ研IBM167.0 94

※スパコンのランキングの種類については、理研ブログ(2014年7月)もご参考にご覧ください。

SC16関連情報はこちら

受賞式の前のプレゼンテーション プレゼンテーションを行う熊畑開発研究員 発表時にスクリーンに映し出されたHPCG1位の表彰状