理化学研究所 計算科学研究センター

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Events/Documents イベント・広報

International HPC Summer School 2018開催報告

期間:2018年7月8日(日)~2018年7月13日(金)
場所:オストラバ工科大学(チェコ共和国)
共催:XSEDE(米国)、PRACE(欧州)、SciNetHPCConsortium(カナダ)

今年も、理化学研究所 計算科学研究センターでは、若手研究者を対象としたHPC分野における国際サマースクール“9th International Summer School on HPC Challenges in Computational Sciences”を開催しました。本スクールはHPC関連分野において国際的に活躍できる人材を育成することを目的に、各サイエンス分野における最先端の講演と、実際に大型計算機を利用してプログラミングや可視化などを行うハンズオンセッションが行われます。

各国から、物理、生物、天文などの自然科学系の分野をはじめ、社会科学や機械学習など、広い分野からの参加があり、日本からは10名の受講者と、演者として星健夫先生(鳥取大学)、佐藤副センター長・三好チームリーダー・今村チームリーダー(理化学研究所計算科学研究センター)が参加しました。

ハンズオンセッションでは意欲的にプログラムの高速化を行い、セッションが終わった後も寝る間も惜しんでプログラミングを行う姿が見られました。共通の課題に対して性能を競うParallel Programming Challengeでは日本からの参加者の石村さん(東大)、遠藤さん(東大)、野澤さん(慶応大)、山内さん(総研大)の4名によるグループがGPU部門での優勝に輝きました。

また、ノートパソコンを使ったポスターセッションが行われ、各参加者が自分の研究内容について発表しました。他の参加者と積極的に交流し各自の研究に関する議論を行い、セッション時間を過ぎても議論を続ける参加者の姿も多く見られました。

本スクールの特徴の1つとしてメンター制度があります。これは数名の参加者グループに対しスクールのスタッフ・講師一人がメンターとして割り当てられ、研究生活などに関する相談を行う制度です。スクール期間中にはメンタリングセッションの時間が設けられており、研究上の悩み相談の他、将来研究者を志す上でのアドバイスをもらう等、グループによってさまざまな話し合いがなされました。

事後のアンケートでは『HPCを中心として様々なバックグラウンドを持つ参加者と交流できた』『これから勉強を始めたいと考えていたことの良い入門になった』『良いメンターと話すことができ、参考になった』などの声が寄せられており、参加者にとって有意義なスクールになったと思われます。


国際HPCサマースクールプログラミングチャレンジ優勝コメント

GPU部門優勝 石村 修さん(東京大学)、遠藤 亘さん(東京大学)、野澤 拓磨さん(慶応大学)、山内 仁喬さん(総合研究大学院大学)のグループ

■今回の課題は、2次元格子状の4点拡散方程式のプログラムの最適化をMPI、OpenMP及びOpenACCを用いて行うというものでした。我々は、最適化の手法として、これらの3つの機構を用いた分散処理に加え、「時空間台形方式のTemporal Blockingを用いた通信レイテンシの隠蔽」「OpenMPとOpenACCの双方を用いたCPU、GPU双方での格子データの更新」を行うことを検討しました。なお、後者は時間が足りず、実装に至りませんでした。本コンテストを通し、チームで協力し、HPC向けのコードを書くというあまりない経験したことは、興味深く、有意義でした。さらに、優勝という成果を残すことができたのはとでも誇らしいです。しかし、”なぜか”これらの処理が一切施されていない初期のコードの方で計測が行われ、優勝していたというのは若干心残りです。(石村)

■まず、今回4人で受賞できたことを光栄に思います。我々のチームは,MPIとOpenMPとOpenACCを全て使って並列化し、加えてテンポラルブロッキングなども実装するという困難なゴールを設定しました。私は主に結果評価やノード内並列化などを担当しました。特にテンポラルブロッキングにOpenMPなどを組み合わせることが至難の業で、講義がない夜中にデバッグに取り組み続けても結局修正できなかったバグもありました。提出したコード中で私の貢献した部分はわずかとなってしまったのですが、チームで並列プログラミングに取り組むことができ、貴重な経験が得られたと感じます。(遠藤)

■今回のチャレンジでは、MPIとOpenACCのハイブリッドコードでラプラス方程式の高速化に取り組みました。私はNon-Blocking通信の実装や並列化時のベンチマーク測定などを担当することになり、他三人が取り掛かっていたテンポラルブロッキングを利用したプログラムとは別に、速度比較のためのプログラムの作成を行っていました。中々時間的制約が厳しい中でしたが、真面目で優秀なチームメンバーのおかげで、優勝を収めることが出来ました。(野澤)

■この度は、International HPC Summer Schoolで開催されたプログラミングチャレンジにおいて私たちのグループが優勝することができて嬉しく思います。チャレンジに取り組むにあたって、4人で役割分担をしました。私は、プロセス間の通信の高速化と、計算結果のプリントアウトを効率的に行うためのバッファリングを担当しました。取り組む時間は非常に限られていましたが、チームで協力して取り組んだ結果が実り、良かったと思います。(山内)