理化学研究所 計算科学研究センター

メニュー
メニュー
Science 研究成果

研究成果 ピックアップ

研究成果事例をピックアップして紹介します。
※「京」、ポスト「京」関連の研究成果については、理研以外の研究機関による成果も含まれます。
※成果の最新情報については、新着情報もあわせてご覧ください。

2018年04月25日更新

骨髄異形成症候群におけるクローン進化の解明
~急性白血病を起こす2ステップの遺伝子異常のパターンを発見~ 

急性骨髄性白血病は代表的な血液がんの一つであり、血液のもとになる造血細胞のゲノムに異常が生ずることによって発症するとされています。また、骨髄異形成症候群は、数年にわたって慢性の造血障害を起こしたのち、急性骨髄性白血病を発症することが知られています。 今回、京都大学などの国際共同研究チームは2,250例の骨髄異形成症候群の患者さんに対して、次世代シーケンサーおよび「京」を用いた大規模な遺伝子解析を行い、慢性の骨髄異形成症候群から急性白血病を起こす遺伝子異常を、これまでになく詳細に明らかにしました。 これらの遺伝子異常は、骨髄異形成症候群の低リスクから高リスク症例への進行、および二次性急性白血病進展を予測するマーカーとしてスクリーニングに用いられることが期待されます。

詳細説明

京都大学プレスリリース

2016年11月18日更新

シミュレーションソフトウェアの開発コストの大幅削減へ(SC16 最優秀論文賞受賞)
~画期的な技術開発により、並列化や最適化のプログラミング自動化に成功~ 

シミュレーションの高速化は、研究の成果や内容に大きな影響を与える重要な技術です。 現在、計算量やデータ使用量を大幅に削減できる「適合格子細分化法」という手法が有効ですが、大規模なスーパーコンピュータで用いるには、データの移動を効率よく行う最適化が必要なことなど、様々な技術的課題がありました。

今回、共同研究チームが開発した新しいソフトウェア技術は、「適合格子細分化法」での並列化や最適化のプログラミングを自動化することから、大規模スパコン向けシミュレーションソフトの開発コストの大幅削減や、現在プログラミングに手間の掛かるアクセラレータを用いたスパコンへの活用の拡大も期待されます。

詳細説明

プレスリリース(SC16 最優秀論文賞受賞)

2016年11月18日更新

世界初!高度なプログラミングが不要に?方程式が書ければ「京」が使える!
~「京」を使って開発した新プログラミング言語「Formura」~

スパコンで必要なプログラムは、ときに数十万行に及びます。作成やチューニングには、シミュレーションに加え、コンピュータの深い知識が必要なため、研究者にとって負担の大きな作業でした。そこで、共同研究グループは、方程式がプログラムに変換されるまでの一連の段階に対し数学的な定義を作ることで、方程式から、スパコンに適切な計算を割り振り、協調して動作させるプログラムを自動生成する新プログラミング言語「Formura」を世界で初めて開発しました。

「Formura」を使えば、例えば3万行以上のプログラムを4万通り以上自動生成するときでも、元のプログラムはたった20行程度です。また、その中から最も高速なプログラムを自動選択する機能もあり、今後、シミュレーションによる研究(規則格子を用いる分野)を加速できると大きな期待が寄せられています。

詳細説明

プレスリリース(SC16 ゴードン・ベル賞ファイナリスト)

2016年11月18日更新

「京」を使った研究が最優秀ポスター賞を受賞 ~次世代地震被害予測システムのコア技術として期待されるシミュレーション手法~

ハイ・パフォーマンス・コンピューティング(高性能計算技術)に関する世界最高峰の国際会議であるSC16で、「京」を使った研究成果のポスターが最優秀ポスター賞を受賞しました。全世界から参加した112件のポスターの中から選ばれ、11月17日(現地時間)、受賞式が行われました。
受賞の対象となった成果は、次世代地震被害予測システムのコア技術として期待されているシミュレーション手法に関する研究成果です。「京」全体(82,944計算ノード)で開発した手法を使うことで、従来の205倍の規模となる地殻変動問題(2兆自由度)が解けるようになりました。これにより地震を引き起こす地殻変動を従来より精緻に分析できるようになると期待されます。

関連記事

SC16 受賞式

2016年10月26日更新

想定外を減らし、地震被害に立ち向かう ~都市地震災害の大規模シミュレーション~

都市ではどんな地震によって、どのような被害が起こるのか。これまでの経験則に基づいた被害想定ではなく、科学的に被害を予測するための大規模シミュレーションが行われています。東京大学を中心とした研究グループは、「京」を使って東京の山手線内ほぼ全域にあたる約10キロ四方における地盤および建物の揺れについて、大規模なシミュレーションを行いました。都市の広範囲を対象としたシミュレーションを行うことで、建物への被害予測のほか、これまでは難しかった地盤のひずみ解析を行うことができるようになり、ガス・水道・交通などライフラインネットワークへの被害予測も可能となりました。地震災害の統合的な予測システムの確立を目指し、研究が続けられています。

詳細説明

解説を読む

2016年08月30日更新

火星ダストデビルの性質を解明
~火星天気予報に向けて~

火星への有人探査が現実味を帯びつつある近年、火星天気予報に向けた火星気象の研究が始まっています。注目は、ダストデビル。いわゆる塵を巻き上げるつむじ風のことです。火星の場合はダストデビルが大きな砂嵐につながる場合もあり、気象の変動と密接に関わっているため、その性質や大気の運動との関わりを明らかにすることが重要です。 研究グループは「京」で火星大気の大規模なシミュレーションを実施、これまで曖昧だったダストデビルの水平半径、最大風速、気圧低下、渦の強さなどの性質やパターンを明らかにすることに成功しました。本研究を皮切りに、火星気象予測の研究が進むことで、新たな火星探査への道が開かれると期待されます。

詳細説明

解説を読む

2016年08月16日更新

「京」と最新鋭気象レーダを生かしたゲリラ豪雨予測
~「ビッグデータ同化」を実現、天気予報革命へ~

いつの間にかすっかり定着した「ゲリラ豪雨」という言葉。予測困難な、局地的に起こる急な大雨のことで、大きな被害がもたらされることでも知られています。今回、理研と情報通信研究機構、大阪大学らの国際共同研究グループは、「京」と最新鋭気象レーダを活かした「ゲリラ豪雨予測手法」を開発しました。天気予報の根幹は、シミュレーションと実測データを組み合わせる「データ同化」と呼ばれる手法です。研究グループは「京」を用いて、次世代の高精細シミュレーションと、最新鋭のフェーズドアレイ気象レーダの双方から得られる高速かつ膨大なデータを組み合わせる革新的技術を開発。従来とは桁違いのデータを扱う「ビッグデータ同化」を実現し、実際のゲリラ豪雨の動きを詳細に再現することに初めて成功しました。これは今まで想像もつかなかったような超高精細天気予報の可能性を示す、いわば天気予報の革命です。この技術を発展させることで、将来「ゲリラ豪雨」という言葉も無くなるかもしれません?!

関連記事

ゲリラ豪雨を予測する -ビッグデータ同化で天気予報に革命を起こす(広報誌:計算科学の世界)

プレスリリース

2016年07月14日更新

メニーコアに向けた新並列計算モデル
~ビッグデータ処理などをより高速に、かつ省メモリで実行~

スーパーコンピュータの心臓部であるCPUに、計算を実行する「コア」を数十個~数百個を載せた「メニーコアプロセッサ」が、近年のスーパーコンピュータの主流になりつつあります。メニーコアプロセッサを用いることで、複雑な計算を多数のタスク(計算処理)で並列に実行可能になり、より高速な処理が実現できます。しかしながら、従来の並列計算の実行モデルでは、タスク間のデータ交換が効率的でない、メモリを多く消費するといった問題がありました。
今回開発された「PVAS・ピーヴァス」技術により、データ交換を高速に、同時にメモリ消費を少なく並列計算の実行が可能になります。このため、PVASを用いることで、スパコンで計算する気象予測、災害予測、ビッグデータ処理などを効率化するための基盤技術として期待されています。

関連記事

メニーコアに向けた新並列計算モデル

2016年06月14日更新

北極域への「すす」の輸送メカニズムを解明
~「京」を用いた超高解像度の全球大気汚染物質シミュレーション~

大気中を漂う小さな塵、エアロゾルは大気汚染や気候変動の重要な要因です。中でも「すす(黒色炭素)」は氷の上に降り積もって融けやすくさせるなど、気候変動への影響が大きいと考えられています。しかし輸送量などの正確な推定は困難で、気候変動予測における不確かさの一因でもあります。
今回「京」で従来にない高解像度のシミュレーションを行い、これまで捉えきれなかった低気圧や前線の微細な構造が、「すす」の輸送に大きな役割を果たしていることがわかりました。今後、より高性能なスーパーコンピュータを最大限駆使しエアロゾルの輸送メカニズムを明らかにできれば、より不確実性を減らした気候変動予測が可能になると期待できます。

詳細説明

解説を読む

2015年12月28日更新

モーターショーで「京」を使った新材料開発技術が生み出した新しいタイヤ公開
~安全性 ・ 低燃費性 ・ 耐摩耗性の実現のために~

今後のタイヤ開発には、「進む、曲がる、止まるなどの安全性」、少ない燃料で遠くまで走ることのできる「低燃費性」、さらに、長期間使用することで環境にも配慮した「耐摩耗性」が求められます。これらの背反する性能を高次元で実現するためには、タイヤのゴム材料の内部構造を分子レベルから理解し、コントロールする必要があります。
今回、住友ゴム工業が、大型放射光施設「SPring−8」と大強度陽子加速器施設「J-PARC」で得られたゴムの高精細な内部構造や分子の運動を「京」で再現・シミュレーションを行い、ゴム内部の破壊や発熱のしくみを明らかにしました。これによって、タイヤにかかるストレスの原因を特定しコントロールする新技術が完成、開発されたタイヤが東京モーターショーにて発表されました。

詳細説明

解説を読む