理化学研究所 計算科学研究センター

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Kcomputer 京について

サイエンス作家 竹内 薫

竹内薫さんの写真
サイエンス作家 竹内 薫

夢を紡ぐマシン

なぜ人は速さを競うのだろう。桐生祥秀が100メートルを9秒98で駆け抜けたとき、日本中が歓喜の渦に包まれた。それにしても、なぜ、10秒ではだめで、9秒98なら凄いのか。

いや、10秒も充分に凄いわけだが、日本人にとっては10秒が「超えられない壁」だったのだ。運動選手の能力は、遺伝的な要素による部分も大きい。それをトレーニングとテクニックとハイテクの靴でカバーして、夢の9秒台が出た。桐生の速さには格別の意味がある。

科学の世界だって同じだ。発見や発明は1番でないとダメだ。1番が全てを持ってゆく。2番目に発見しても業績にならず、2番目に発明しても特許は取れない。

われわれは第四次産業革命のまっただ中にいる。人工知能、ロボット、ビッグデータ、IoT……今後数十年で「超計算社会」がやってくる。ポスト京への期待は、夢の9秒台への期待と同じだ。はたして、日本は、世界のトップと肩を並べて走り続けることができるだろうか。ポスト京は、この国の浮沈を占う勝負に挑んでいる。
ガンバレ、ポスト京。