理化学研究所 計算科学研究センター

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OVERVIEW 計算科学研究機構とは

計算構造生物学研究チーム

統合的構造生物学のための新手法と計算ツールの開発

タンパク質やRNAからなる生体分子複合体は重要な生物機能を果たしており、それらの異常はさまざまな疾患を引き起こす。疾患を理解し、治療法を開発するには、機能発現のメカニズムを理解する必要があり,そのためには生体分子の3次元構造を知る必要がある。さらに、生体分子は機能発現の際、形を変えるので、動的な要因も考慮しなければならない。

生体分子の構造は一般的には実験によって得られている。構造決定手法の一つ、X線結晶構造解析法は、高解像度の構造情報を与えるが、必要な生体分子の結晶を得ることは非常に難しい。クライオ電子顕微鏡法(クライオEM)は、多数の2次元電顕画像から3次元構造を再構成する。低解像度だが、大きな複合体を扱え、運動に関する情報を得ることができ、結晶構造解析にはない利点がある。さらに新しい手法のX線自由電子レーザー(XFEL)では非常に高い強度のX線を用いて、結晶ではなく1個の分子の構造を描き出せる可能性がある。

当研究チームでは、クライオEMとXFELの実験データから3次元構造とダイナミックスを決定するための計算ツールを開発している。それらを、「京」やポスト「京」で大規模データ解析に使用するとともに、科学コミュニティに提供する。それにより、生理学的に重要な生体分子について、既存技術では得られない構造とダイナミックスの新しい知見が得られると期待される。

おもな研究成果

XFEL 回折データから3次元構造を再構成
XFELの強力X線源により、生体分子の新しい情報、特に1分子の構造が得られる可能性がある。ただし、現在の実験条件では、X線結晶構造解析法のような1原子解像度はまだ達成されていない。このため、より一般的な利用に向けた実験技術の検討が進む一方で、データ解析のための計算アルゴリズムの開発が行われている。特に、XFELの実験で得られる2次元の回折パターンから、生体分子の3次元構造を再構成するには、レーザービームの入射角を推定するための計算アルゴリズムが必要である。

我々は、単粒子3次元クライオEMの画像生成に広く使われているXMIPPをもとに、XFELのデータ解析のためのプログラムパッケージを開発してきた。XMIPPは実空間の2次元データを扱うように設計されているので、ルーチンの一部をフーリエ空間の2次元データを扱えるように改良した。反復法により各画像の生体分子の配向を推定し、3次元構造因子振幅を再構成する。また、実空間の3次元モデルは位相回復により得られる。この手法を、ナノ粒子からのXFEL回折パターンに似た実験データに適用することに成功している。

3次元構造再構成の手順

チームリーダーFlorence TAMA

チームリーダー
Florence TAMA
(フロハンス タマ)

略歴: 詳細を見る
2000
フランス・ポールサバティエ大学計算生物物理学Ph.D.
2001
米国スクリプス研究所博士研究員
2006
米国アリゾナ大学助教授
2013
AICS計算構造生物学研究チーム チームリーダー(現職)
2015
名古屋大学大学院理学研究科教授
アニュアルレポートRIKEN AICS Annual Report
FY2015
(PDF 757KB)
FY2014
(PDF 0.98MB)
FY2013
(PDF 2.28MB)
FY2012
(PDF 436KB)